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小説:第3話 秘書への逆襲
朝、目を覚ますと、ドS秘書リサが目の前に立っていた。これは悪い夢だ。もう一回寝直すとしよう。
リサ「社長、おきてください」 そんなはずがない。秘書がここにいるはずがない。あれ?そもそもここはどこだっけ?目をあけて、あたりを見回すと、そこは会社の仮眠室だった。そういえばまだマンション決まってなかったな。 リサ「社長、もう12時ですよ」 それはそうと、なぜ彼女がここにいるんだろう?いや、それ以前に、なぜ僕はこんな起こされ方をしているんだろう!?僕の理想の起こされ方は、 「もう、起きなきゃでしょ~~」というかわいらしい起こされ方だ。そう、今みたいに布団の上から腹をドンドン蹴られながら威圧感たっぷりに起こされるのは決して僕の理想ではない。注意しなければ。社長として。 「も、もっとかわいく起こして・・・」 リサ「あら、ごめんなさい。つい昔のクセで・・蹴るつもりはなかったんですよ」 昔なんの仕事をしていたんだろう。 リサ「それよりも、社長、仕事ですよ。午後1時までに報告書をヘンリー社長に出さなければいけないんです。」 翔「なに!?なんで今頃言うのさ!?」 リサ「昨日言おうとしたんですけど、社長いきなり泣き出すもんで・・・」 翔「それは君が・・いや、なんでもない。どういう報告書を出せばいいんだ?」 リサ「この会社は情報収集の力と地域に密着していることを見込まれて、時々依頼がくるんです。」 翔「依頼?」 リサ「はい。例えば、ある企業からはライバル企業が今どんな商品に力を入れているか調べてくれ、という依頼もきますし、それこそ旦那が浮気していないか調べてくれ、という主婦からも依頼がきます。」 翔「そんなのもくるのか。まるで探偵みたいだな」 リサ「そうですね。そこで、今回依頼が来てまして、それを社長に調べてもらいたいんです。3人組のチームを組んで。報告書は誰とチームを組んだか、どういう依頼を引き受けたのか、という報告だけでけっこうです。」 翔「なるほど。社長自らに調べてほしい依頼なんて、相当なものなんだろうな~」 リサ「某大手学習塾からの依頼です」 翔「お~。え?塾!?」 リサ「はい。内容は、ある大学生の塾の講師と高校生の生徒ができてる、という噂があるので、真相をつきとめてほしい、ということです。」 翔「そんなこと調べるの?どうでもいいじゃん。勝手に付き合ってろよ」 リサ「その塾は恋愛禁止なんです。ましてや講師と生徒なんて、絶対タブーです」 翔「へぇ~。じゃあリサちゃん、僕と社内恋愛・・」 リサ「刺しますよ?」 翔「ごめん・・・」 なんて物騒な。しかも京都の塾の講師の話題が出た直後に・・・おっと。 翔「で、だれとチームを組めばいいの?」 リサ「もう時間がないので、私が選びました。後で伺いに来ますので、ここで待っていてください。では、私はほかの仕事があるので、失礼します。」 彼女がクルリと僕に背を向けた瞬間、僕は彼女のほうにむかって中指をつきたてた。ほんの冗談のつもりだった。 リサ「あ、そうそう、社長・・あ。」 翔「あ・・・いや、これは・・」 数分後、真っ赤に腫れ上がった頬を氷で冷やしながら、僕は呆然と床を眺めていた。もはや立場は逆転してしまったのだろうか?いや、出会ったときからそうだったのかもしれない。 翔「あれ・・なんだあの紙」 拾ってみると、それは名刺だった。「クラブエンジェルキッス」と書かれている。キャバクラの名刺だ。リサちゃんが落としていったのか?彼女しかまだこの部屋に入ってきてないのでから、きっとそうだろう。ん?もしかして・・・僕は急いで電話した。 翔「社長、今どこにいますか?」 ヘンリー「キャバ、いや、トイレ・・・今忙しいんだよ、君。あ、リサちゃん、はいはい、こんどバッグ買ってあげるから。え?わかった、シャネルね。悪いな翔、掃除のおばちゃんが話しかけてきてさ・・じゃあな」 どんな言い訳やねん。そうか、でも、これでわかった。リサちゃんは社長御用達のキャバクラではたいているんだ。よっしゃ!これはすごい弱みを握った!これであのドS秘書も怖くない!!この名刺が動かぬ証拠じゃ!わっはっはっはっは!わっはっは! ガチャ 「失礼しま~す。このたびの依頼で社長とチームを組みます、葵といいいます。よろしくおねがい・・・あ・・」 ・ ・ ・ 気まずい雰囲気。僕は寝起きの姿のパンツ一丁で名刺を見ながら大笑いしていた。 どうする!?どうする俺!? 続く!!
by sho_mizutani
| 2006-04-05 16:41
| しょうの小説
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