日記の体験談を通じて、自分の思い、考えを主張していきたい。そんな意味をこめて、日記とコラムを融合させました
by sho_mizutani
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カテゴリ:しょうの小説( 6 )

ヒント

広く染み渡った青い空に点々と浮かぶ白い雲。そして、その雲の間をすりぬけるように、まるでカーテンのごとく降り注ぐ日の光。
そんな太陽の光に照らされている加藤あい似の美女は塾の敷地内にあるベンチのうえに腰掛け、静かに本を読んでいた。
美人はなにをしていても絵になる。早速僕達はあの子に聞き込みを行うことにした。

「あの~、突然ですが、少々お時間いただいてもよろしいでしょうか?」
「え?ええ・・・」
「突然ですが、あなたの純愛をいただいてもよろしいでしょうか?」
「え!?ええ・・・」



いいの!?



「ちょ、翔くん、だまってて!」

翔くん?ああ、社長なんて呼んだら変に怪しまれるから、翔くんって友達感覚で呼ぶのか。

「いきなりごめんなさい。この人、ちょっとボケキャラ気取ってるもんで」

今までで一番厳しい言われ方だ。グサッとくる・・・

「あの、どちら様で・・・?」
タカ「あなたの純愛をいただくものです!!」
・ 




「はい、しらけた~」
「空気読め」
「同じことを2回言うのはイタイです」

みんなから一斉に非難を食らったタカは肩を落としてベンチの端っこにストン、と座った。それにしてもこの女の子、なじむのが早いな。

「ごめんなさい、空気読めない人で。あの、私たち、ここの塾生なんですけど、変な噂を耳にしたんですよ。」
「変な噂?」
「そう、ここの塾の講師と生徒が付き合ってる、っていう噂を聞いたんだ。聞いたこと無い?」
「あ、知ってます!私も友達から聞きました。」
「本当に?そんなに広まってるの?」
「ええ、けっこうみんな知ってると思いますよ。」
タカ「君の名前はなんていうの?」
「え・・・」

なんで話が盛り上がってきたところでいきなりそんな質問するかな~。

「タカ、おまえ空気を・・」
「アイって言います。」
「アイ!?加藤あいに似てて、名前もアイ??」
「似てないですよ~。あんなにキレイじゃないですって。」
「似てるって!え、今何歳なの?」
「17歳です。高校3年生」
タカ「タイプは?」
「そっか~、受験生か。大変だね。だから塾に?」
「そうなんですよ。学校より塾に重点置いてますね。」
タカ「メルアド教えてくれる?」
「学校よりも仲良い友達とかできちゃったりしちゃうかもね~」
「そうですね。でも学校のほうが落ち着きます。」
「ちょっと、一見タカだけシカトしてるように見せかけて私も放置プレイしないでよね!」
「あ~ごめんごめん。それで、どの講師が生徒と付き合ってるかわかる?」
「いや、そこまではちょっと・・・でも、付き合ってる生徒ならわかりますよ。」
タカ「マジで!?」

あと一歩。あとちょっとで生徒の正体がわかっていたのに、チャイムが鳴ってしまった。

アイ「あ、私次授業があるので」

まずい。このままでは重要なヒントを持っているこの子を逃してしまう。どうしよう・・・・そう思っていたら、葵が僕にそっとささやいた。

「ちょっと社長、メルアド聞いておいてくださいよ。」
「え、いいの?」
「お願いします。」

葵ちゃんのまえで聞いたらまた嫌なことを言われそうだったので葵ちゃんが見てないところで聞くつもりだったけど、彼女自身から許可を得たので、これで堂々と聞ける。

「あの、アイ・・・ちゃん。良かったら、メールアドレス教えてくれない?」
アイ「あ、いいですよ。」

あっさりOKをもらい、メールアドレスを教えてもらい、教室へと向かう彼女を見送った。


タカ「ずるーい社長だけ!僕もさっき何気に聞いたのに~!!ブーブー!!」



                        無視


「彼女が出てくるまで待ちます?それとも、また他の人に聞き込みをしますか?」
「アイスクリームを買おう。そして、彼女を待とう。あんまり聞き込みをすると不審に思われるからな。」


数分後、アイスクリームを与えられたタカはおとなしくなってくれた。





子供か!!
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by sho_mizutani | 2006-08-25 22:54 | しょうの小説

小説 第5話 絆

某有名学習塾。その名も、アラバマ塾。少し蒸し暑くなってきた街を何分か歩き、やっとたどり着いた塾は、新しく建てられたような雰囲気のキレイな建物に、まるで学校ではないかと思ってしまうくらい広い敷地があった。それにしても、何故にアメリカの州の名前なのか?それも今回の調査で探りたいところだ。
「ほ~。良い感じのところじゃないか。小さなキャンパスライフ♪って感じだね。」
タカ「これで塾生たちが制服きてたら最高なんですけどね~」
「制服も良いけどな、この暑い季節、薄着の方がいいだろ♪」
タカ「支社長、エロいっすね~(笑)。上からのぞくとブラジャーとか見えますもんね」
「おまえもなかなかエロいな~(笑)」
どこかで聞いたことのある会話だ。
「そんなことより、はやく中に入りましょう」
「そんなことより、こんなに蒸し暑いのに、君はなんで薄着じゃないんだ!?」
タカ「そうだそうだ!僕達のことももっと考えてくれ!」
「セクハラで訴えますよ?」
タカ「ごめん・・・」
「でもこの気温の中その格好はおかしいよ・・・」
葵ちゃんは茶色のジャージを着ていた。かわいいんだから、もっと服装に気を使えばいいのに。
そんな僕の発言に少し機嫌を損ねたのか、彼女は半ば僕を無視する形でさっそうと塾内へ潜入した。
「ちょ、ちょまてよ!」
「なによ?」
「勝手に一人で塾へ潜入したって、なんにもできないだろう?なんのために3人のチームを組んでいると思ってるんだ?なんのために俺達がいると思っているんだ?・・・もっと、俺達を信じてくれてもいいんじゃないのか?」
「支社長・・・・」
タカ「そうだよ葵ちゃん!僕達、まだ葵ちゃんから説明を受けてないから何をすればいいかわからないんだから!!」



この芝居じみた会話は、なんなんだろう???しかも一人ジャッカン空気を読んでいない人物がいるし。そしてもう早速僕に対してタメ口で反抗的な態度をとっている葵ちゃん。
「はやく聞き込み調査をしましょ」

そして僕達が最初に聞き込みを行うターゲットに選んだのは、加藤あいに似ている美女だった。

またか。また美女なのか。
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by sho_mizutani | 2006-05-07 02:06 | しょうの小説

小説 第4話 また立場は下

部屋に入ってきたのは、僕より少し年上に見える女の子と、これもまた僕より何歳か上のような男の人だった。それよりも、この状況をどう説明しよう?今のままでは明らかに変態に見える。
「あ、おはよう。いやね、最近ホコリが多いから・・・」
今思うと、なんであのときもっとマシな言い訳ができなかったのだろうと、思い返すたび後悔する。ねえ、あのとき、もっとちゃんと考えてものを言ってたら、今みたいにはならなかったのかな?思い返すたび、胸が痛むよ・・・(某少女マンガ風)
「そうですね、多いですよね・・・」
タカ「はじめまして!タカといいます!今後よろしくおねがいします!!」
こんな状況でも、しっかりと自己紹介ができるのは立派だ。空気が読めないのだろうか?
「ああ、よろしく。」
僕はズボンをはきながら答えた。
「なるほど。これで今回の仕事をする、3人がそろったわけだ。これからどうするかは、秘書から聞いているのかい?」
「はい。これからターゲットの某有名学習塾へ向かい、聞き込み調査をします。最初なので、まず生徒や講師たちからさりげなく話をうかがう、という方向で」
「なるほど。城を落とすなら、まず周りから、という感じだな」
タカ「違いますよ、酵素パワーのトップですよ!」
「それは服だろ!しかも白を落としてどうするんだ。白くしないといけないのに。」
タカ「わっはっはっはっは!!」
「どうでもいいですよ。面白くないし。早く行きましょう」
この会話で、二人のキャラが大体わかった。そして、これからの立場関係も。
僕たちは早速仮眠室を出て、某有名学習塾へと向かった。
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by sho_mizutani | 2006-04-27 16:18 | しょうの小説

小説:第3話 秘書への逆襲

朝、目を覚ますと、ドS秘書リサが目の前に立っていた。これは悪い夢だ。もう一回寝直すとしよう。
リサ「社長、おきてください」
そんなはずがない。秘書がここにいるはずがない。あれ?そもそもここはどこだっけ?目をあけて、あたりを見回すと、そこは会社の仮眠室だった。そういえばまだマンション決まってなかったな。
リサ「社長、もう12時ですよ」
それはそうと、なぜ彼女がここにいるんだろう?いや、それ以前に、なぜ僕はこんな起こされ方をしているんだろう!?僕の理想の起こされ方は、
「もう、起きなきゃでしょ~~」というかわいらしい起こされ方だ。そう、今みたいに布団の上から腹をドンドン蹴られながら威圧感たっぷりに起こされるのは決して僕の理想ではない。注意しなければ。社長として。
「も、もっとかわいく起こして・・・」
リサ「あら、ごめんなさい。つい昔のクセで・・蹴るつもりはなかったんですよ」
昔なんの仕事をしていたんだろう。
リサ「それよりも、社長、仕事ですよ。午後1時までに報告書をヘンリー社長に出さなければいけないんです。」
「なに!?なんで今頃言うのさ!?」
リサ「昨日言おうとしたんですけど、社長いきなり泣き出すもんで・・・」
「それは君が・・いや、なんでもない。どういう報告書を出せばいいんだ?」
リサ「この会社は情報収集の力と地域に密着していることを見込まれて、時々依頼がくるんです。」
「依頼?」
リサ「はい。例えば、ある企業からはライバル企業が今どんな商品に力を入れているか調べてくれ、という依頼もきますし、それこそ旦那が浮気していないか調べてくれ、という主婦からも依頼がきます。」
「そんなのもくるのか。まるで探偵みたいだな」
リサ「そうですね。そこで、今回依頼が来てまして、それを社長に調べてもらいたいんです。3人組のチームを組んで。報告書は誰とチームを組んだか、どういう依頼を引き受けたのか、という報告だけでけっこうです。」
「なるほど。社長自らに調べてほしい依頼なんて、相当なものなんだろうな~」
リサ「某大手学習塾からの依頼です」
「お~。え?塾!?」
リサ「はい。内容は、ある大学生の塾の講師と高校生の生徒ができてる、という噂があるので、真相をつきとめてほしい、ということです。」
「そんなこと調べるの?どうでもいいじゃん。勝手に付き合ってろよ」
リサ「その塾は恋愛禁止なんです。ましてや講師と生徒なんて、絶対タブーです」
「へぇ~。じゃあリサちゃん、僕と社内恋愛・・」
リサ「刺しますよ?」
「ごめん・・・」
なんて物騒な。しかも京都の塾の講師の話題が出た直後に・・・おっと。
「で、だれとチームを組めばいいの?」
リサ「もう時間がないので、私が選びました。後で伺いに来ますので、ここで待っていてください。では、私はほかの仕事があるので、失礼します。」
彼女がクルリと僕に背を向けた瞬間、僕は彼女のほうにむかって中指をつきたてた。ほんの冗談のつもりだった。
リサ「あ、そうそう、社長・・あ。」
「あ・・・いや、これは・・」


数分後、真っ赤に腫れ上がった頬を氷で冷やしながら、僕は呆然と床を眺めていた。もはや立場は逆転してしまったのだろうか?いや、出会ったときからそうだったのかもしれない。
「あれ・・なんだあの紙」
拾ってみると、それは名刺だった。「クラブエンジェルキッス」と書かれている。キャバクラの名刺だ。リサちゃんが落としていったのか?彼女しかまだこの部屋に入ってきてないのでから、きっとそうだろう。ん?もしかして・・・僕は急いで電話した。
「社長、今どこにいますか?」
ヘンリー「キャバ、いや、トイレ・・・今忙しいんだよ、君。あ、リサちゃん、はいはい、こんどバッグ買ってあげるから。え?わかった、シャネルね。悪いな翔、掃除のおばちゃんが話しかけてきてさ・・じゃあな」
どんな言い訳やねん。そうか、でも、これでわかった。リサちゃんは社長御用達のキャバクラではたいているんだ。よっしゃ!これはすごい弱みを握った!これであのドS秘書も怖くない!!この名刺が動かぬ証拠じゃ!わっはっはっはっは!わっはっは!
ガチャ
「失礼しま~す。このたびの依頼で社長とチームを組みます、葵といいいます。よろしくおねがい・・・あ・・」



気まずい雰囲気。僕は寝起きの姿のパンツ一丁で名刺を見ながら大笑いしていた。
どうする!?どうする俺!? 続く!!
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by sho_mizutani | 2006-04-05 16:41 | しょうの小説

小説:第二話 DDH京都支社とS女

突然だが、僕の好みのタイプの女性は、一言でいうと”京女”だ。柔らかで少々品のある京都弁。おしとやかで、気配りを忘れない。笑顔がきれいで、それでいて、少しSっ気があるという、そういう女性が理想なのだ。用は、少しSっ気があればいいのだが(笑 僕も時にきついことを言ってしまうことがある。そんなときでも、傷つかずにいられてなんでも言い合える子がチョべりグって感じ。
彼女「な~、そこのリモコン取ってくれへん??」
「え~嫌や。すぐそこにあるやん。自分でとれよ」
彼女「めんどくさいんやも~ん。取ってや~!」
「俺だってめんどくさいわ」
彼女「取って~」
「嫌」
彼女「取れよ」
「自分で取れや」
彼女「・・・じゃあもう、うちみんなに自分が京都駅で迷子になって帰れんくなったのバラす・・」
「ちっ。わかったよ」



こんな恋がしたい    僕ってバカですか??
ハっとして目が覚めた。深夜のタクシーのなかで眠ってしまっていたようだ。なんて夢を見ていたんだろう、僕は。仕事のストレスか??こんな夢を見てしまうなんて・・・英才教育の弊害だろうか。でも、夢に出てきた女の子かわいかったなぁ。
ようやく京田辺についたが、もう夜も遅かったので、その日はホテルで泊ることにした。

翌朝、早速DDH株式会社京都支社へ向かった。
「へ~こじんまりとしてるけど、以外とキレイだな。」
この会社では僕が社長・・・にししし。もうニヤニヤが止まらない!
入り口には一人の女性が待っていた。きっと秘書だろう。

社長室にデカイ椅子に腰掛けた途端、僕は大きなため息を漏らした。大体荷物の整理もすんだし、ヘンリー社長に報告の電話でもするとしよう。
「もしもし?」
社長「あ~もっこりもこみち!?」
あんたいつからギャル男になったんだ!?
「はぁ・・あの、今ようやく会社につきました」
社長「おおそうか。どうだ?良い感じだろう、そっちの会社は」
「中もキレイなんでビックリしましたよ。そうそう、社員の子達もまたキレイで(笑)」
社長「なに!?今度詳しく教えろ。それより、もうすぐそっちの秘書がおまえに仕事を伝えにくるからな。準備しておけよ。」
「早速ですか?」
社長「なに。簡単な仕事だ。悪いな、俺は今忙しいんで、切るぞ。アディオスアミーゴー!!」
最後のフレーズの意味がわからない!やけにハイテンションだった。それに周りの雑音。間違いない、社長は今キャバクラにいる。弱みを一つ握った。

コンコン、とドアをノックする音。早速秘書のおでましか。
「はいりなさい」
「失礼します」
入ってきたのは、24歳くらいの若い女の人だった。なんでこんなにうちの会社は若くてキレイな社員が多いんだろう?答えはわかりきっている。ヘンリー社長がそういう子しか採用しないから。
リサ「支社長の秘書を勤めさせていただく、リサといいます。よろしくお願いします。」
「うん、よろしく。ところでリサ・・・ちゃん?」
リサ「はい?」
「リサちゃんはスピッツは好きかい?」
リサ「はい。大好きですよ。良い曲ばっかりですもんね」
「いいよね、あれ。得に寒いときなんか助かるんだから」
リサ「??」
「良く女の子が履いてるじゃん。」
リサ「そ、それは、あの・・」
「ってそれはスパッツやん!!」


長い沈黙が流れる。まだこの子にはレベルが高すぎたのかもしれない。なるほど、どうやらおしとやかな子のようだ。こういう子にはロマンティックなもので攻めるしかない。
「それはそうと、バレンタインデーもあっという間に終わっちゃったね」
リサ「はぁ・・・」
「そこでさ、なんでキスって、口で口をふさぐか知ってる?」
リサ「いえ・・」
「愛する2人に、会話はいらないからさ」
また沈黙か・・そう思った瞬間、
リサ「おまえの口をガムテープふさいだろか??え??」
わが耳を疑った。これではいけない。初日からこれでは。社長としての威厳を見せなければ。
「ごめんなさい・・・」


その日は一日中部屋の隅で泣いた。
スパッツのネタはそんなに面白くなかったのだろうか??

いくらなんでもドSは嫌・・・
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by sho_mizutani | 2006-04-01 15:29 | しょうの小説

小説:第一話 さらばDDH株式会社

 陽気で穏やかな気候が続き、桜の開花宣言も数日前に行われた春真っ只中の夕暮れ時、僕は会社自室のデスクの前で、数分前に秘書が運んできた書類に目を通していた。ブラインド越しの窓の外からは黄昏色の夕日が差し込む。本当に平和だ。こういう時にやる仕事は心からリラックスして臨める。
コンコン、とドアをノックする音が聞こえた。誰だろう?秘書の森脇君ならさっき来たばっかりだし・・・とりあえず、どうぞ、と声をかけた。
「失礼」
威圧感たっぷりで入ってきたのは、なんと社長だった。部屋の空気が一瞬にして緊張につつまれる。僕は急いで深くもたれかかっていた自慢の皮製のイスか飛び上がり、萎縮して言った。
「しゃ、社長!用があったのでしたらそちらに伺いましたのに」
社長「いやなに、少し歩きたかったしな。どうだ翔、外へ散歩でもいかんか」
外はポカポカ良い天気だし、なにより社長の命令だ。断る理由がない。二つ返事ですぐに社長と京都の街へ散歩に出掛けた。
ビルから出たらすぐ近くに川原がある。夕日が地平線に沈もうとしているなか、僕たち2人は川原の土手をあるいた。
社長「本当にいい天気だな~!暖かくなってきた。暖かいと嬉しいことがたくさんあっていいよな」
「陽気な気持ちになりますもんね」
こんな風に社長と歩くのなんて久しぶりなので、緊張してうまく話しを膨らませれない。あ~、こんなとき会話が上手は人が羨ましい。
社長「女も薄着になるしな」
・・・・社長はエロかった。
「上から覗き込むとブラジャー見えますもんね」
僕はもっとエロかった。
社長「ははは。このエロガキめ。」
それから社長はしばらく周りを眺めた。
いや、探そうとしないでください!
社長「それより、おまえがここに来てからもうだいぶたつな~。もう何年目になる?」
「そうですね、僕が社長に拾われたのが5歳のころで、今17歳ですから・・」
社長「もうそんなに経つか。お前は本当に有能で、良く働いてくれているよ。お前みたいに飲み込みの早いやつは初めてだ。」
「いや~そんな。おだてても何もでてきませんよ」
社長「その証拠にもうおまえは俺の会社でも幹部だ。」
僕はこの社長(名前をヘンリーという)に幼い頃、後継者の育成、という理由で教え子として招かれた。以来、さまざまな英才教育を受け、小さいころからこの会社で色々なことを叩き込まれてきた。社長に対する言葉使いもその一つだ。
ちなみにこの会社、普通の会社ではない。日本中のあらゆる情報を収集する、いわば日本版CIAみたいなものだ。それが会社という形で運営されている。実のところ、この会社の本部はアメリカにあり、それが世界各地に支部を設けている。僕が勤めているこの会社は日本支部、というわけだ。それでヘンリー社長(日本人とのハーフ)がこの日本支部の社長をしている。名前はDDH株式会社。団地妻(D)大好き(D)ヘンリー(H)の略。もう一度言おう。社長はエロい。
「それもこれも社長の教育のおかげですよ」
たとえ社長がエロかろうが、このひとは偉大な人なのだ。持ち上げておかないと。
社長「にっしっしっし。そうじゃろう?」
キャラが良くわからない!
社長「だが、いかんせんおまえは、コミュニケーション能力に欠けている。聞く話によると、仲のいいやつらと一緒にいると素の自分をだしてバンバンしゃべっているそうだが、どうも俺の前だと静かなようだ。」
「そんな、めっそうもございません」
社長「そのしゃべり方がそうだろうが!俺はおまえが誰に対しても素の自分が出せるようになってほしいんだ。だから、しばらく俺から離れる必要があるようだ」
そんな・・・いままで12年間慣れ親しんできたこの会社をはなれるなんて・・・仲良くなった人たちもたくさんいた。もう一つの家族、家みたいなところだった。
社長「転勤だ。」
「ど、どちらへ・・・?」
社長「情報収集能力を養うということは、地域との密着は必要不可欠だ。そういった意味でも、なるべく小さな町のほうが良い。近いうちに京田辺支社ができる。おまえはそこへ行け」
京都府京田辺市は、京都から電車でおよそ20分弱のところにある。・・・転勤と呼べるのだろうか?というよりそんな近所に同じような会社造る意味はあるのか?
社長「おまえはそこの支社長だ。」
し、支社長!?嬉しさと寂しさが複雑に胸の中で絡み合う。慣れ親しんだこの町、会社と離れるのはさみしい。しかし、目の前に転がり込んできた支社長というポストに、心が動かないわけがない。きっと社長秘書がつくんだろうなぁ。若くて美人な子だったらいいな。今よりもっと部下ができるわけだ。きっとそこには新しい出会いが待っている。この転勤はポジティブに受け止めるべきだ。
「いってきます」


僕はハイピッチで引越しの支度をしていた。いってきますとは言ったけど、まさか今日中だなんて!!近いうちにできるって言ったじゃないか。ヘンリー社長はハーフだから日本語が弱いんだ、きっと。デスクの上を片付けている最中、電話がなった。有田君だ。彼とはもう長いことこの会社で一緒に働いている。親友みたいな存在だ。そうか、僕の転勤のことを知って、電話をくれたのか。
「もしもし?」
有田「よう翔、聞いたぜ」
「そうか・・」
有田「これから寂しくなるな。おまえがいなくなったら、一体誰がほかに俺と一緒に近所をピンポンダッシュするんだよ」
「一回もしたことないよ(汗)まあ、俺だってみんなとはなれるのは寂しいよ。でも、転勤先にもいい出会いがあると信じてるし、前向いて生きてかなくちゃな」
有田「ああ、そんなことより、聞いてくれよ!」
そんなことより?もう僕の話はお終いなの?いや、なにか大変なことがあったのかもしれない。これは聞いてやらなければ。
有田「エビちゃんのカレンダーと、浅田美代子のカレンダー、どっちを買うほうがいいかな?」
僕は有田とはまるで兄弟のように10年間つるんできたつもりだ。彼のユーモアには癒されることもあったし、一緒にいて退屈しなかった。それは彼にとっても同じだとおもう。そんな親友の転勤の話より、エビちゃんと浅田美代子のカレンダーのほうが大事だというのか!?しかも浅田美代子のカレンダーなんて売ってないだろうし。
「エビちゃんはだめ。俺がもう持ってるから。あのこは俺の。」

ようやく支度が終わったときは、夜の12時だった。タクシーでいくしかないな・・・・
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by sho_mizutani | 2006-03-31 16:25 | しょうの小説